梟のいる場所

 月島にあるフクロウカフェ。

 つい先日、色々な種類の梟がいて、見るだけでなく、触るだけでなく、なんと肩に乗せることもOKという素晴らしいお店に行きました。ふわふわモフモフの梟はとても可愛らしく、一度は行って欲しい場所です。

 このお店、大体14時開店で、一時間ぐらい前から並ぶのが一般的だとか。一時間ごとに時間を区切ってあって、列に並んでいる人を前から8人ずつぐらい入れるというシステム。それより後の人は予約をして、また時間になったら来てくださいという形。並ぶつもりで行かないと大変ですが、このシステムだと一人一羽ぐらいの割り当てになるので、お客にとっても、梟にとってもなかなかに優しいシステムです。料金は一人当たり1000円/1ドリンク・1時間、注意点としては、当然のごとくカップル率が高いということぐらい…


 そんなわけで、今回は梟の使い魔のウラルと、セットで使いやすいマリコルヌで短編に。そういえば、販売もやっているから入れ替わりがあるらしいけれど、今回はウラルフクロウがいなかったのが残念。また行ってみようかな?



 楽しそうにはしゃぐ、子供たちの声。

 子供たちは梟の姿に戻ったウラルちゃんを囲んで、その柔らかな羽を撫でている。ウラルちゃんも満更ではないのか、目を細め、成すがままにさせている。初めて触るんだろう子はおっかなびっくりだけれど、慣れると嬉しそうに笑っている。

 ――僕? 

 ああ、僕はもちろん離れて見ているよ。子供たちと一緒のどさくさに紛れれば触らせてもらえないわけじゃないけれど……。まあ、ちょっとした小動物なんて絞め殺してしまうぐらいの梟の足ってすごいんだよ。あと、梟だけあって夜目も効くんだよね。とりあえず、それだけ言っておこうか。

 それはそれとして、子供たちがウラルちゃんを囲むこんな風景は、実は珍しくなかったりする。子供たちのリクエストに答えてということが結構ある。

 僕の使い魔であるグバーシルが同じく梟だから、気持ちはよくわかる。ふわりと柔らかな羽毛に、滑らかな外羽。それこそ、絹以上に触り心地が良い。そして、抱きしめると温かい。冬に抱きしめると、それはそれは頬ずりしたくなるほど気持ち良い。

 あと、肉食のイメージから勘違いする人も多いけれど、梟って基本的に無臭なんだよ。もちろんウラルちゃんが臭いなんてことはあるはずないけれどね。そも、臭いというのは不快だということだから。

 まあ、そんなわけで、夜目が聞いて飛べる梟は使い魔として優秀なのはもちろん、愛玩動物としてもなかなかに優秀なわけだよ。こうやって、子供たちがウラルちゃんに触らせてくれるようお願いするぐらいにね。人の姿を取っている時も子供たちによくまとわりつかれているウラルちゃんだけれど、梟の姿を取っている時にはその人気も更に鰻登りなわけだよ。こんな風にね――





 男の子が慣れた手つきでウラルちゃんの頭に触れ、うなじを通って背中をそっと撫でる。

 女の子が一番柔らかそうな、胸元の綿毛に触れる。梟は首もとを触られるのは好きじゃないけれど、もちろんウラルちゃんは暴れたりはしない。

 男の子が足元に触れる。ふわふわな見た目と違って、爪はやっぱり鋭い。男の子ならやっぱり好きだよね。ウラルちゃんもそっと片足をあげる。

 女の子がウラルちゃんの口先に、そっと指を出す。ウラルちゃんは期待に答えるように甘噛みする。




 うん、僕も同じことをしたい。

 でも、大丈夫。僕は見るだけでも十分さ。僕にはこの、滾るほどの妄想力があるからね。





 どこか薄暗い部屋の中心に、ウラルちゃんが立っている。いつもの黒のワンピースに、ただ、諦めたように目を伏せて。ただでさえ華奢な体が、なお一層小さく、細く見える。その仕草が、より一層楽しませてくれる。

 男がウラルちゃんの後ろに立っている。楽しげにウラルちゃんのうなじを指を這わせ、焦らすように背中を撫で上げる。ウラルちゃんは声を押し殺すように身を縮こまらせる。

 男がウラルちゃんの前に立っている。そっとウラルちゃんのワンピースに手を這わせると、普段は目立たない、華奢な体に似合わないぐらいに大きな胸のシルエットがはっきりと現れる。男は露わになったそれを、服の上から両手で抱えるように持ち上げ、いつの間にやらツンとワンピースの下からその存在を主張するようになった乳首を、指で弾く。ウラルちゃんは体を一度だけ震わせて、それでもまっすぐに立っている。男の指には、もう遠慮はない。

 男が正面からウラルちゃんを抱く。やがて、その手はスカートの中へと潜り込む。太ももへと指を這わせ、そして下着の中へと。男はへたり込みそうになったウラルちゃんを、片足を持ち上げるようにして抱える。自然、ウラルちゃんの両手は男の背に回される。

 ウラルちゃんが、男の前に跪いている。男は嫌がるそぶりを見せるウラルちゃんの口を無理やりにこじ開け――、こじ……あけ……その…… 


「……あ、あれ?」

 頭がぼんやりとして、そして、僕は膝をついていた。遠く、ゼーゼーと荒い息。それが自分のものだと気づいた時には遅かった。溺れるように空気を求めて手を伸ばし、倒れる。地面に近づくその一瞬、ウラルちゃんの赤い目が、やけに頭に残った。気づかないうちに周りの空気がなくなっていた、それだけは本能のどこかで理解した。今度もまた、気づかれたということ。






 魔法の腕など下から数える方が早かったマリコルヌ。ある時から彼はメキメキと魔法の腕を伸ばして行く。特に、彼が最も得意とした魔法。直接風の刃で切り裂くのではなく、相対した者の周りを空気を少しずつ薄くしていくという、単純だが効果的なもの。相手の動きは少しずつ鈍くなり、気づいた頃には手遅れという、ある意味では凶悪な魔法。そのような学校とは無縁の、正に実戦に重きをおいた魔法。どのようにしてその魔法を習得したのか、彼は黙して語らない。

 ただ一言、男には命をかけてでもやらなければいけないことがある、それだけを語った。後年、様々に解釈された言葉ではあるが、その真意だけは決して伝わらなかった。死線に向かう男たちが好んで使ったその言葉、その真意を知れば、血涙を流して嘆いたことだろう。自分はそんなつもりではない、と。
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